元大関で、西前頭13枚目の出島武春(35歳、武蔵川部屋)が、11日目の豊ノ島(時津風部屋)戦に負け、9敗目となった。西前頭13枚目である出島は十両からの昇進人数との兼ね合いもあるが、十両上位に好調者が多いことから、十両陥落が濃厚になった。12日目、入れ替え戦の十両筆頭玉飛鳥(片男波部屋)戦は不戦敗となり、玉飛鳥は9勝目で来場所の再入幕がほぼ確実となる。
出島は1999年9月から2001年7月までの12場所大関を務めたが、怪我などがあり陥落。その後は大関復帰できなかった。最近は幕内中位から下位での土俵が増え、西前頭5枚目だった昨年11月場所から5場所連続負け越しとなった。
11日目の打ち出しの後、師匠の武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)と相談して決めたという。引退に関して出島は「まだ複雑だけど悔いはない。精いっぱいやった。ここ数場所は自分の思うような相撲を取れず、何となく予感はしていた。」と、自身の引退時期を悟っていたようだ。また思い出の取組を聞かれると「思い出は初優勝した場所で横綱・貴乃花関に勝った一番。最高の相撲を取れた」と、1999年7月場所9日目、横綱貴乃花(現一代年寄)を押し倒しで敗った一番をあげた。
出島は今後、自身の所有する年寄・大鳴戸を襲名、現在の大鳴戸親方(元幕内武雄山)は関ノ戸に、現在の関ノ戸親方(元幕内よう司)は小野川に名跡変更した。
■……出島武春 プロフィール……■
四股名 出島
本名 出島武春
生年月日 昭和49年3月11日
出身地 石川県金沢市
所属部屋 武蔵川
最高位 大関
現在の地位 西前頭13枚目
生涯戦績 588勝487敗98休
幕内戦歴 539勝470敗98休
優勝履歴 幕内1回、十両1回、幕下1回
初土俵 平成8年3月(幕下60枚目格付出)
新十両 平成8年9月
新入幕 平成9年3月
新三役 平成9年11月
・新小結 平成10年9月
・新関脇 平成9年11月
・新大関 平成11年9月
現役引退 平成21年7月
三賞 殊勲賞3回、敢闘賞4回、技能賞3回
金星 6個
